東南アジアを巡る周遊旅行は、多様な文化や美味しい料理、美しい景色に触れられる最高の体験です。しかし、複数の国を移動する上で多くの旅行者が頭を悩ませるのが、インターネット通信手段の確保ではないでしょうか。国境を越えるたびにSIMカードを買い替えるのは面倒ですし、ポケットWi-Fiは荷物が増えてしまいます。私が長年の経験から断言しますが、現代の東南アジア周遊において、通信手段の最適解は「eSIM」です。
この記事では、私が自信を持っておすすめする東南アジア周遊向けのeSIMプランを厳選して紹介します。eSIMの基本的な知識から、具体的な選び方、さらには旅行スタイル別のおすすめプランまで、あなたの旅が何倍も快適になる情報を凝縮しました。
この記事を読めば、あなたは自分にぴったりのeSIMを見つけ、通信の心配なく旅を満喫できるでしょう。
なぜ東南アジア周遊にeSIMが最強なのか?|物理SIM・ポケットWi-Fiと比較
海外旅行での通信手段には、eSIMの他に物理SIMカードやポケットWi-Fiがあります。それぞれに利点はありますが、特に国境を何度も越える東南アジア周遊においては、eSIMの利便性が際立ちます。
eSIMの圧倒的なメリット|手軽さと柔軟性
eSIM(イーシム)とは、スマートフォン本体に内蔵されたデジタルSIMのことです。物理的なカードの抜き差しが不要で、オンライン上で購入から設定まで完結する手軽さが最大の魅力です。
私がeSIMを強く推奨する理由は、その圧倒的な利便性にあります。日本にいる間に設定を済ませておけば、現地到着と同時に現地の電波を掴み、すぐにインターネットを使い始められます。空港でSIMカード販売の列に並ぶ時間を節約できるのは、大きなメリットです。
- 即時性|オンラインでいつでも購入・設定ができる
- 手間の排除|SIMカードの紛失や破損のリスクがない
- デュアルSIM|日本のSIMを挿したまま、データ通信だけeSIMに切り替えられる
特に、複数の国を巡る旅では、国を移動するたびに新しいSIMを契約する手間が一切かからない地域周遊プランが非常に便利です。これが、私がeSIMを最強だと考える理由です。
物理SIMカードのメリット・デメリット|安さの裏にある手間
現地で販売されている物理的なSIMカードは、長年海外旅行者の主要な通信手段でした。特定の国に長期間滞在する場合、現地キャリアが提供するツーリストSIMはeSIMよりもGB単価が安く、通話機能が付いていることも多いです。
しかし、その安さには手間という代償が伴います。現地到着後に販売店を探し、パスポートを提示して契約手続きを行う必要があります。言葉の壁に直面することもあるでしょう。周遊旅行では、国を移動するたびにこの作業を繰り返さなければならず、貴重な観光時間を奪われることになります。
ポケットWi-Fiのメリット・デメリット|グループ旅行では便利だが…
ポケットWi-Fiは、複数人で同時にインターネットを共有できるため、グループ旅行では便利な選択肢です。スマートフォンだけでなく、パソコンやタブレットなど複数のデバイスを接続したい場合にも役立ちます。
一方で、常にルーター本体を持ち歩き、充電を気にする必要があります。旅行中はできるだけ荷物を減らしたい私にとって、これは大きなデメリットです。レンタルと返却の手間もかかり、料金もeSIMや物理SIMと比較して高額になる傾向があります。
【2025年版】東南アジア周遊eSIMプロバイダー5社を徹底比較!
東南アジア向けのeSIM市場には多くのプロバイダーが存在しますが、それぞれに特徴があります。ここでは、私が特におすすめする主要な5社を、その強みと弱みと共に詳しく解説します。
Airalo|信頼と実績のオールラウンダー
Airalo(エラロ)は、世界で1,000万人以上が利用するeSIM市場のリーディングカンパニーです。使いやすい専用アプリと、バランスの取れた料金プランで、初めてeSIMを使う人から旅慣れた人まで幅広く支持されています。
東南アジア向けには、主要18カ国をカバーする「Asialink」プランがあり、ほとんどの周遊旅行者にとって定番の選択肢です。常に最安値ではありませんが、その安定した通信品質と信頼性は、何物にも代えがたい安心感を与えてくれます。迷ったらAiraloを選んでおけば間違いない、と私が自信を持って言えるプロバイダーです。
Holafly|データを気にしない「安心感」を求めるなら
Holafly(オラフライ)の最大の特徴は、多くのプランで「データ無制限」を提供していることです。データ残量を気にすることなく、地図アプリや動画ストリーミングを存分に使えるのは大きな魅力です。
ただし、この「無制限」には注意点があります。テザリング(インターネット共有)には1日500MBといった容量制限が設けられていることが多いです。価格は固定容量プランより割高ですが、「データを使い切るかも」という心配から解放されたい人には最適な選択肢でしょう。
Saily|価格とセキュリティを両立した新星
Saily(セイリー)は、有名なVPNサービス「NordVPN」のチームが開発した新しいeSIMサービスです。その強みは、市場でもトップクラスの低価格と、VPNで培われた高いセキュリティ技術にあります。
アジア・オセアニア地域を19カ国カバーする周遊プランは、非常にコストパフォーマンスが高いです。安さだけでなく、通信の安全性にもこだわりたいと考える現代の旅行者にとって、非常に魅力的な選択肢となります。私が今、最も注目しているeSIMプロバイダーの一つです。
Nomad|柔軟なプランが魅力の挑戦者
Nomad(ノマド)は、柔軟なプラン設定で他社と差別化を図っています。一部のプランではSMS機能が使えるなど、eSIM市場では珍しい特徴を持っています。特定のプランは価格競争力も高いです。
しかし、ユーザーからの評価が分かれる傾向にある点には注意が必要です。問題なく快適に使えたという声がある一方で、接続トラブルの報告も見られます。万が一の際に自分で対処できる上級者向けの選択肢と言えるかもしれません。
Ubigi|ビジネス渡航にも安心のNTT系
Ubigi(ユビジ)は、日本の大手通信事業者NTTと提携しているフランスのプロバイダーです。この背景は、特に日本のユーザーにとって大きな安心材料となります。
短期旅行向けのプランから、長期滞在者向けの月額・年額プランまで、幅広いニーズに対応しています。通信の安定性が最優先されるビジネスでの渡航や、信頼性を重視するユーザーにとっては、非常に有力な候補となるでしょう。
あなたに最適なeSIMはこれ!旅のスタイル別おすすめプラン
eSIM選びは、あなたの旅のスタイルによって最適な答えが変わります。ここでは、具体的な目的別に私がおすすめするプランを紹介します。
とにかく安く!コスト重視のバックパッカー向けプラン
旅の費用を少しでも抑えたいバックパッカーには、GB単価の安さが重要です。
- Saily|全体的に価格設定が低く、コストパフォーマンスは抜群です。
- Airalo|小容量プランであれば、非常に安価な選択肢が見つかります。
- Maya Mobile|競争力のある価格設定で、特に長期プランが魅力的です。
これらのプロバイダーで必要なデータ容量のプランを選べば、通信費を賢く節約できます。
複数の国を巡る観光客向け|広範囲をカバーする周遊プラン
タイ、ベトナム、マレーシアなど、複数の国を効率よく巡りたい観光客には、対応国の広い地域周遊プランが必須です。
プロバイダー | プラン名(例) | 対応国数(例) | 特徴 |
Airalo | Asialink | 18カ国 | 定番で信頼性が高い。主要な国をほぼ網羅。 |
Saily | Asia and Oceania | 19カ国 | 安価で対応国も広い。ラオス・カンボジアもカバー。 |
Holafly | Asia | 16カ国 | データ無制限が魅力。ラオス・カンボジアもカバー。 |
Ubigi | BEST ASIA | 16カ国 | 信頼性が高く、ビジネス利用にも向く。 |
これらのプランなら、一度設定すれば国境を越えてもシームレスに通信を続けられます。
どこでも仕事!データ量を重視するデジタルノマド・ビジネス向けプラン
旅先でもPCで仕事をするデジタルノマドやビジネス渡航者には、通信の安定性と大容量データが不可欠です。
- Holafly|データ無制限プランは、容量を気にするストレスがありません。ただし、テザリング制限には注意が必要です。
- Nomad|20GBや50GBといった大容量プランを柔軟に選べます。
- Ubigi|NTT系の信頼性で、安定した通信が求められる場面で安心です。
最高のパフォーマンスを求めるなら、渡航先の国で最も評価の高い通信キャリア(例|タイのAIS)と提携しているeSIMを選ぶのが賢明です。AiraloやNomadの一部プランがこれに該当します。
電話番号も使いたい!希少な通話機能付きプラン
ほとんどのeSIMはデータ通信専用ですが、中には現地の電話番号が使える珍しいプランも存在します。
- aloSIM|一部のプランで無料の国際電話番号を提供していると明記しています。
- 現地キャリアのSIM|通話やSMSが確実に必要な場合は、現地空港などでツーリストSIMを購入するのが最も確実な方法です。
レストランの予約などで電話番号が必要になる場面を想定するなら、これらの選択肢を検討すると良いでしょう。
eSIM選びで失敗しないための重要チェックポイント
便利なeSIMですが、購入前に確認を怠ると「現地で使えない」という事態に陥ることもあります。私が必ずチェックする3つのポイントを覚えておきましょう。
対応国を必ず確認|プラン名に惑わされない
「アジアプラン」という名前でも、プロバイダーによって対応国は異なります。特に、カンボジアやラオスといった国は、一部のプランで対象外になっていることがあるので注意が必要です。
自分の旅程に含まれる国がすべてカバーされているか、購入前に公式サイトの対応国リストを必ず確認してください。この一手間が、現地でのトラブルを防ぎます。
渡航前に確認必須!スマホのeSIM対応とSIMロック解除
eSIMを利用するには、2つの大前提があります。これをクリアしていないと、eSIMを購入しても無駄になってしまいます。
スマートフォンがeSIMに対応しているか
比較的新しいモデルのスマートフォンはeSIMに対応していますが、旧機種や一部のモデルは非対応です。
- iPhoneの確認方法|「設定」>「モバイル通信」と進み、「eSIMを追加」の項目があれば対応しています。
- Androidの確認方法|電話アプリで「*#06#」とダイヤルし、表示される情報に「EID」という番号があれば対応しています。
スマートフォンがSIMフリーであるか
日本の大手キャリアで購入したスマホには、特定の会社の回線しか使えないように「SIMロック」がかかっている場合があります。海外のeSIMを使うには、このロックが解除されている「SIMフリー」状態でなければなりません。
- iPhoneの確認方法|「設定」>「一般」>「情報」と進み、「SIMロック」の項目が「SIMロックなし」となっていればOKです。
不明な場合は、必ず出発前に購入元のキャリアに確認し、必要なら解除手続きを済ませておきましょう。
意外な落とし穴|テザリング制限と公正利用ポリシー
「データ無制限」という言葉は魅力的ですが、その裏にあるルールを理解しておく必要があります。
- テザリング制限|Holaflyのように、無制限プランでもPCなどにインターネットを共有するテザリング機能には容量制限(例|1日500MB)がある場合があります。
- 公正利用ポリシー(FUP)|短時間に極端に大量のデータ通信を行うと、通信速度が制限されることがあります。これは多くの「無制限」プランに適用されるルールです。
PC作業を頻繁に行う予定の人は、テザリングの条件をしっかり確認することが重要です。
まとめ
東南アジアの周遊旅行において、eSIMはもはや必須アイテムと言っても過言ではありません。国境を越えるたびにSIMを交換する手間や、Wi-Fiルーターを持ち運ぶ煩わしさから解放され、旅の自由度と快適性を格段に向上させてくれます。
最適なeSIMは、あなたの旅のスタイル、予算、そして求める利便性によって決まります。この記事で紹介したプロバイダーごとの特徴や選び方を参考に、ぜひあなた自身の旅にぴったりの一枚を見つけてください。事前の準備をしっかり行い、通信の不安なく、心ゆくまで東南アジアの魅力を満喫しましょう。