iPhoneが水没して充電できなくなると、本当に焦りますよね。私も過去に経験があり、その時は頭が真っ白になりました。しかし、パニックになって誤った行動を取ると、取り返しのつかない事態を招きます。
この記事では、水没したiPhoneに対して絶対にやってはいけないNG行動と、復旧の可能性を最大限に高めるための正しい対処法を徹底的に解説します。冷静に行動すれば、あなたのiPhoneを救えるかもしれません。
絶対にやってはいけない5つのNG行動
iPhoneが水に濡れた時、良かれと思ってやった行動が、実はiPhoneに致命的なダメージを与えていることがあります。私が学んだ、絶対に避けるべき5つのNG行動を紹介します。
NG行動1|濡れたまま充電する
これは最も危険な行為です。濡れた状態で電気を流すと、内部の精密な回路がショート(短絡)してしまいます。一度ショートすると、ロジックボードという人間でいう脳の部分が破壊され、修理は非常に困難になります。
「少しだけなら」という気持ちが、iPhoneの寿命を完全に絶つことになるのです。充電ケーブルを接続するのは、絶対にやめましょう。
NG行動2|ヘアドライヤーで乾かす
熱で水分を蒸発させようと考えるかもしれませんが、これも間違いです。ヘアドライヤーの熱風は、iPhone内部の繊細な部品や接着剤にダメージを与え、バッテリーの膨張や発火のリスクさえ生じさせます。
さらに、風圧によって表面の水分がiPhoneのさらに奥深くへと押し込まれ、被害が拡大するだけです。熱を加える行為は百害あって一利なしと断言します。
NG-行動3|本体を激しく振る
内部の水を外に出そうとiPhoneを激しく振るのも逆効果です。内部に入り込んだ水滴が遠心力で飛散し、それまで濡れていなかった無事なパーツまで濡らしてしまいます。
水の侵入を一部分に留めておくことが重要なのに、自ら被害範囲を広げてしまう行為なのです。優しく、特定の方向に向けて水を排出するのが正解です。
NG行動4|米びつに入れる
「濡れた電子機器は米びつへ」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、これはAppleも公式に警告している有害な神話です。米の乾燥能力は限定的であり、それ以上に大きなリスクがあります。
米の細かい粒子やデンプンの粉が、充電ポートやスピーカーの穴に入り込み、新たな故障の原因となります。ポート内部の繊細な端子を傷つける可能性もあり、絶対に試してはいけません。
NG行動5|ポートに異物を差し込む
充電ポートを乾かそうと、綿棒やティッシュを丸めたものを差し込むのも厳禁です。綿棒の繊維やティッシュの紙くずがポート内部に残り、接触不良を引き起こします。
最も怖いのは、内部の充電端子を物理的に曲げたり、折ってしまったりすることです。こうなると、たとえ乾燥に成功しても充電はできなくなります。
iPhoneを救うための正しい応急処置
NG行動を理解した上で、次に取るべき正しい応急処置のステップを解説します。この手順を冷静に実行することが、iPhone復活への鍵となります。
ステップ1|即座に電源をオフにする
なによりも優先すべきは、iPhoneの電源を完全に断つことです。画面が操作できる状態であれば、通常の手順で「スライドで電源オフ」を実行します。
画面が反応しない場合は、モデルに応じた強制終了の方法で電源を切ってください。内部で電気が流れている状態が最も危険なので、一刻も早く電源を遮断することが重要です。
ステップ2|アクセサリをすべて取り外す
iPhoneに装着されているケースやスクリーンプロテクター、接続されている充電ケーブルやイヤホンなど、すべてを取り外します。ケースなどは水分を閉じ込めてしまい、乾燥を妨げる原因になります。
特にSIMカードは忘れずに取り出しましょう。SIMトレイの隙間から内部の換気を促し、SIMカード自体の水没による故障も防ぎます。
ステップ3|ポートの水を排出する
Appleが公式に推奨している唯一の方法がこれです。iPhoneの充電ポート(コネクタ部分)を下向きにし、手のひらに優しくトントンと叩きつけます。
この動作により、重力を利用してポート内部に溜まった水分を安全に排出します。激しく振るのではなく、あくまで「優しく叩く」のがポイントです。
ステップ4|風通しの良い場所で自然乾燥させる
外部の水分を糸くずの出ない柔らかい布で優しく拭き取ったら、風通しの良い日陰でiPhoneを自然乾燥させます。扇風機の弱い風を遠くから当てるのも効果的です。
この時も、充電ポートを下向きにして立てかけておくと、残った水分が排出されやすくなります。完全に内部が乾くまで、最低でも24時間は辛抱強く待ちましょう。
「液体検出」の警告が出た時の対処法
最近のiPhoneは、ポートが濡れていると「液体検出」という警告を表示して充電を停止する保護機能が備わっています。この警告の正しい意味と対処法を知っておきましょう。
警告の仕組みと正しい対応
iPhoneの充電ポートには液体を検知するセンサーが内蔵されています。水分によって電気が流れる状態を検知すると、ショートを防ぐために自動で充電機能を停止し、警告メッセージを表示するのです。
この警告が出た場合、それはiPhoneが正常に自己防衛している証拠です。慌てずにすぐにケーブルを抜き、前述した正しい乾燥手順を最初から行ってください。
乾いているのに警告が消えない原因
十分に乾燥させたはずなのに、警告が消えずに充電できない場合があります。その原因はいくつか考えられます。
原因1|ケーブルやアダプタの故障
iPhone本体ではなく、使用している充電ケーブルや電源アダプタが故障、あるいは汚れていることで警告が誤作動することがあります。Apple純正の別のケーブルやアダプタで試してみましょう。
原因2|ポート内部のゴミやホコリ
充電ポートの内部に溜まったホコリや糸くずが、空気中の湿気を吸ってセンサーを誤作動させているケースも少なくありません。ライトで内部を照らして確認し、ゴミがあれば乾いた柔らかいブラシなどで慎重に取り除きます。
原因3|ソフトウェアの一時的な不具合
まれに、ソフトウェアの不具合で警告が表示され続けることがあります。この場合は、一度iPhoneを再起動することで解決することが多いです。
それでもダメなら修理を検討
あらゆる対処法を試しても充電ができない場合、残念ながら内部の部品が損傷していると考えられます。その場合は、専門家による修理が必要です。
修理を依頼すべき症状
以下の症状が見られる場合は、自力での復旧は困難です。速やかに修理を依頼しましょう。
- 24時間以上乾燥させても電源が全く入らない
- 画面の表示がおかしい(線が入る、真っ暗など)
- ワイヤレス充電もできない
- 本体が異常に熱くなる、異臭がする
- 「液体検出」の警告がどうしても消えない
修理費用はいくらかかる?
水没による故障はAppleの製品保証の対象外です。修理は実質的に本体交換となり、高額な費用がかかります。しかし、「AppleCare+」に加入していれば、負担を大幅に軽減できます。
iPhoneモデル | AppleCare+加入時 | 保証対象外 |
全モデル共通 | ¥12,900 | – |
iPhone 15 Pro Max | ¥12,900 | ¥114,800 |
iPhone 15 Pro | ¥12,900 | ¥105,800 |
iPhone 15 | ¥12,900 | ¥87,800 |
iPhone 14 | ¥12,900 | ¥87,800 |
iPhone SE (第3世代) | ¥12,900 | ¥44,000 |
※料金は税込です。2025年10月時点の情報です。
まとめ
iPhoneが水没して充電できなくなった時、最も重要なのは「慌てず、充電せず、正しく乾かす」ことです。絶対にやってはいけないNG行動を避け、今回紹介した正しい手順で応急処置を行えば、復旧の可能性は十分にあります。
この経験から私が学んだことは、日頃からの備えの重要性です。iPhoneの耐水性能を過信せず、定期的なバックアップを習慣にすることが、万が一の事態から大切なデータを守るための最強の保険になります。iCloudなどを活用して、常に最新のデータを安全な場所に保管しておきましょう。