スマートフォンのデータ容量、いわゆる「ギガ」を気にせず使いたいと誰もが思います。各社が「ギガ使い放題」や「無制限」をうたっていますが、その内容は実はキャリアによって全く異なります。私がこの記事で断言します。あなたの使い方によって、選ぶべき「使い放題」プランは変わります。
月間のデータ上限も速度制限も一切ない「真の無制限」を提供しているのは、実は楽天モバイルだけです。他社の「無制限」は、大容量ではあるものの一定の条件がある「実質的」無制限がほとんどです。この記事では、各社のプランを徹底的に比較し、あなたがどのプランを選ぶべきか明確に診断します。
「ギガ使い放題」には2種類ある
「使い放題」と聞くと、どれも同じに聞こえますが、中身は大きく2つに分かれます。この違いを知らないと、契約してから「こんなはずではなかった」と後悔することになります。
真の高速データ無制限|楽天モバイル
楽天モバイルが提供する「Rakuten最強プラン」は、国内で唯一、データ利用量の上限キャップが存在しないプランです。どれだけデータを使っても速度制限がかからない、文字通りの「無制限」です。
条件付き無制限|ドコモ・au・ソフトバンク
NTTドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアが提供する「無制限」プランは、厳密には条件付きです。月間200GBなど、非常に大容量のデータ通信までは高速通信を利用できます。
しかし、その上限を超えると通信速度が制限(例えば最大4.5Mbpsや5Mbps)されます。これを「ソフトキャップ」と呼びます。動画視聴などには十分な速度ですが、楽天モバイルのような完全な無制限とは異なります。
4大キャリアの「無制限プラン」徹底比較
それでは、4大キャリア(MNO)の主力プランを具体的に比較検討します。料金だけでなく、テザリングの制限や各社の強み・弱みを把握することが重要です。
楽天モバイル「Rakuten最強プラン」
楽天モバイルの最大の特徴は、その圧倒的なコストパフォーマンスと「真の無制限」です。料金はデータ利用量に応じた段階制で、20GBを超えると月額3,278円(税込)でデータ通信が完全無制限となります。
メリット
- 月額3,278円(税込)で高速データ通信が本当に無制限
- テザリング(スマホをWi-Fiルーター代わりにする機能)も無制限
- 専用アプリ「Rakuten Link」を使えば国内通話が原則無料
- 家族割やネット回線割を適用すれば、さらに安く利用できる
デメリット
- 通信品質は「プラチナバンド」導入で改善中だが、大手3社と比較すると安定性で劣る場合がある
- サポートはオンラインが中心で、店舗サポートは内容によって有料
NTTドコモ「ドコモ MAX」
NTTドコモの「ドコモ MAX」は、品質と信頼性を最優先するプレミアムプランです。料金は市場で最も高額ですが、それに見合う価値を提供します。
メリット
- 地方や山間部でも繋がりやすい、圧倒的なネットワーク品質と安定性
- 大手3キャリアで唯一、テザリングもデータ容量無制限で利用できる
- 全国のドコモショップで手厚い無料サポートが受けられる
デメリット
- 基本料金が8,448円(税込)と非常に高額
- 割引後の料金にするには、家族割、ネット回線割、カード払割など複数の条件を満たす必要がある
au「使い放題MAX+ 5G/4G」
auの「使い放題MAX+」は、通信品質と経済圏のバランスが取れたプランです。au PAYやauじぶん銀行といった金融サービスとの連携が強みです。
メリット
- 「auマネ活プラン」など、auの金融サービス利用者向けのポイント還元が充実している
- ネットワーク品質は都市部と地方の両方で安定している
- 全国のauショップで充実したサポートが受けられる
デメリット
- テザリングの利用は月間60GBまでと上限がある
- 月間200GBを超えると通信速度が最大5Mbps程度に制限される
ソフトバンク「メリハリ無制限+ / ペイトク無制限」
ソフトバンクは、都市部での通信速度とPayPayとの連携(シナジー)を追求しています。「ペイトク無制限」は、決済サービス「PayPay」のヘビーユーザーに特化したプランです。
メリット
- 「ペイトク無制限」プランはPayPay利用時のポイント還元率が非常に高い
- 都市部において最速クラスの通信速度が期待できる
- 全国のソフトバンクショップで手厚いサポートが受けられる
デメリット
- テザリングの利用は月間50GBまでと上限がある
- 月間200GBを超えると通信速度が最大4.5Mbpsに制限される
「無制限」じゃなくても十分?賢い大容量プラン
毎月テラバイト級のデータを使う人でなければ、完全な無制限プランは不要かもしれません。コストとデータ容量のバランスに優れた、現実的な代替案を紹介します。
ahamo「大盛りオプション」
ドコモのオンライン専用ブランドahamoの「大盛りオプション」は、月額4,950円(税込)で100GBという大容量データを利用できます。ドコモ本家のような複雑な割引なしに、ドコモの高品質なネットワークをシンプルな料金で利用できるのが最大の魅力です。
povo「24時間データ使い放題トッピング」
auのpovoは、基本料金0円から必要なデータ量を都度購入(トッピング)するユニークなシステムです。330円(税込)で24時間データ通信が使い放題になるトッピングは、特定の日にだけ大容量通信が必要な人に最適です。
mineo「マイそく」
mineoの「マイそく」は、データ容量ではなく通信速度で料金が決まるプランです。「スタンダード」コースは月額990円(税込)で最大1.5Mbpsの通信が使い放題になります。
ただし、このプランには決定的な制約があります。平日の昼12時から13時までの間、通信速度が実質的に利用不可能なレベル(最大32kbps)にまで著しく制限されます。この時間帯にスマホを使わない人向けのニッチな選択肢です。
私がおすすめ!タイプ別最適プラン診断
ここまで多くのプランを見てきましたが、結局どれを選べば良いか迷うはずです。そこで、4つのタイプ別に最適なプランを診断します。
とにかく安く!データを無制限に使いたい人
結論|楽天モバイル
月額料金の安さ、テザリングを含む完全無制限、無料通話。これらを求めるなら楽天モバイル一択です。私が選ぶとしても、このコストパフォーマンスは非常に魅力的です。
仕事で使う!通信品質と信頼性を最優先する人
結論|NTTドコモ「ドコモ MAX」
価格は高くても、ネットワークの安定性と無制限のテザリングはビジネス利用に必須です。全国どこでも安心して使える信頼性を買う、と考えればドコモが最適解です。
100GBあれば十分!コスパと品質を両立したい人
結論|ahamo「大盛りオプション」
完全な無制限は不要でも、毎月数十GBは使うという現実的なヘビーユーザーに最適です。ドコモの高品質な回線を月額4,950円のシンプル料金で100GB使えるバランス感覚は秀逸です。
ポイントも賢く貯めたい!経済圏を重視する人
結論|au「auマネ活プラン」 または ソフトバンク「ペイトク無制限」
日々の支払いがau PAYやPayPay中心の人は、通信費とポイント還元をセットで考えるべきです。auやソフトバンクの経済圏特化プランを選ぶことで、実質的な負担額を大きく減らせます。
まとめ
「ギガ使い放題」の最適なプランは、あなたのライフスタイルによって決まります。月間のデータ上限や速度制限を一切気にせず、テザリングも自由に使いたいという「真の無制限」を求めるなら、答えは楽天モバイルです。
一方で、料金は高くても絶対的な通信品質と信頼性、手厚いサポートを求めるならNTTドコモが優れています。PayPayやau PAYなど、特定の経済圏をフル活用しているならソフトバンクやauが実質的にお得になります。
また、高品質な回線で100GBもあれば十分という堅実な選択なら、ahamoが最もバランスの取れた答えになるでしょう。
どのキャリアに決めたとしても、乗り換え(MNP)の際は必ず最新のキャンペーンを確認してください。数万円単位のポイント還元や端末割引を受けられるチャンスを逃さず、最も賢い選択をしましょう。


