Klook(クルック)は、海外旅行のチケットやツアーが驚くほど安く予約できるサイトです。私もよく利用しますが、その安さゆえに「本当に安全なのか?」「怪しいサイトではないか?」と不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、Klookの安全性、怪しいと言われる理由、そして安さの秘密まで、実際の評判を基に徹底的に解説します。
Klook(クルック)は怪しい?企業としての安全性を徹底検証
Klookの安全性について結論から言います。Klookは怪しい企業ではなく、正当なグローバル企業です。その根拠を詳しく見ていきましょう。
Klookはどこの国の会社?|香港発のグローバル企業
Klookは、2014年に香港で設立された「Klook Travel Technology Limited」が運営するオンライン旅行会社(OTA)です。いわゆるツアーやアクティビティの予約に特化したプラットフォームです。
日本でも2017年に「Klook Travel Technology合同会社」という日本法人を設立し、東京のオフィスを拠点に正式に事業を展開しています。京都にある「株式会社ケイルック」というバス会社とは全く関係ない別会社です。
巨額の資金調達が示す財務的な安全性
Klookの信頼性を裏付ける強力な証拠が、その資金調達額です。同社はソフトバンク・ビジョン・ファンドやゴールドマン・サックスといった世界的な投資会社から、累計で7億米ドル以上(約747億円以上)もの出資を受けています。
これほど巨額の投資が集まるということは、厳格な審査を経て「ビジネスモデルと成長性が本物である」と評価された証拠です。詐欺的な企業にこれだけの資金が集まることはあり得ません。
決済と個人情報のセキュリティ対策は万全か
オンライン予約で最も心配なのが、決済情報や個人情報の扱いです。私もこの点は重視しています。Klookでは、クレジットカード情報を自社サーバーに完全な形で保存せず、安全な決済代行会社を利用する業界標準の仕組みを採用しています。
データを保存する場合も暗号化(トークン化)されており、セキュリティ対策は業界標準に準拠しています。少なくとも技術的な観点から見れば、決済の安全性は確保されていると言えます。
Klookが「怪しい」と言われる4つの理由|実際の悪い評判とデメリット
Klookは正当な企業であるにもかかわらず、なぜ「怪しい」という評判が立つのでしょうか。それは、利用者が実際に体験した運営上の問題点に原因があります。私が調査した中でも、特に目立つデメリットを4つに分けて解説します。
理由1|カスタマーサポートが繋がらない・対応が遅い
悪い評判の中で最も多く見られるのが「カスタマーサポート」に関する不満です。Klookのサポートは基本的にオンラインチャットが中心で、「すぐに繋がらない」「長時間待たされる」という声が多数あります。
緊急時に迅速な対応が期待できない点は、大きなデメリットです。日本語サポートが混み合っていると英語対応になるケースもあり、利用者にとって高いハードルとなっています。
理由2|キャンセル・返金プロセスが複雑
「キャンセルしたのに返金されない」という不満も、「怪しい」という疑念に直結しています。Klookのキャンセルポリシーは、商品ごとに「無料キャンセル」「条件付き」「キャンセル不可」と細かく分かれています。
このポリシーを見落として予約すると、返金トラブルに発展します。仮に返金対象であっても、実際の返金までに数週間かかるケースもあり、この「支払いは即時、返金は遅延」という非対称性が利用者の不信感を招いています。
理由3|ツアーの品質や内容にばらつきがある
Klookは自社でツアーを運営しているわけではなく、現地のツアー催行会社の商品を仲介する「マーケットプレイス(市場)」です。そのため、登録されているツアーやガイドの品質に大きなばらつきがあります。
「日本語ガイドを予約したのに、日本語が不十分だった」「広告内容と実際のサービスが違った」という口コミも存在します。これは仲介プラットフォームである以上、避けがたいリスクとも言えます。
理由4|不自然な日本語表記と産業スパイ疑惑
サイトやアプリの一部に見られる機械翻訳のような不自然な日本語が、利用者に「プロフェッショナルではない」「怪しい」という印象を与えることがあります。
さらに深刻な問題として、2024年に台湾で、競合他社であるKKdayの機密情報を不正に利用したとして、Klookの幹部が起訴されたという報道がありました。これは運営上の不手際とは異なる、企業の倫理観に関わる重大な問題であり、「怪しい」というイメージを強める一因となっています。
なぜKlookは安い?圧倒的なメリットと利用者の声
Klookには多くのデメリットがある一方で、それを上回る強力なメリットが存在します。だからこそ、世界中で何百万人ものリピーターに選ばれています。私自身も、そのメリットを享受している一人です。
Klookが安い理由|ビジネスモデルと割引戦略
Klookが安い最大の理由は、テクノロジーを活用して仲介業務を徹底的に効率化し、低マージン(利益)で大量に販売するビジネスモデルにあります。巨額の投資資金を背景に、市場シェア獲得のために積極的な価格設定を行っています。
加えて、初回アプリ割引、PayPayなどと連携した「クルックの日」セール、頻繁に配布されるプロモーションコードなど、割引戦略が非常に強力です。これらの割引を適用することで、公式サイトや他のどの日系旅行会社よりも大幅に安く購入できるケースが多々あります。
メリット|便利なEチケットと豊富な品揃え
Klookの大きな強みは、その利便性です。特にテーマパークや鉄道のチケットは、スマホに表示されるEチケット(QRコード)で入場できるため、現地の窓口で長蛇の列に並ぶ必要がありません。
アジアを中心に世界中のアクティビティやeSIM、空港送迎など、50万点以上の商品を取り揃えており、旅行の「コト消費」をワンストップで予約できる点も魅力です。
メリット|「認証済みレビュー」でリスク回避
前述の「品質のばらつき」というデメリットをカバーするのが、豊富な利用者レビューです。Klookのレビューは、実際にその商品を購入・体験した「認証済み」の利用者だけが投稿できます。
700万件以上蓄積されたレビューを事前にしっかり読み込むことで、評価の低いツアーを避け、質の高いサービスを自分で見極めることができます。これは、賢く利用するための最も重要な機能です。
結論|Klookを安全・お得に使いこなす戦略的アドバイス
Klookは「怪しい企業」ではありませんが、「リスクのあるマーケットプレイス」であることは事実です。その特性を理解し、賢く付き合うことが重要です。ここでは、私が実践している競合他社との使い分けや、利用時の注意点を解説します。
Klookと競合他社(KKday・GetYourGuide)の比較
Klookには強力な競合がいます。台湾拠点の「KKday」と、ベルリン拠点の「GetYourGuide」です。
特徴 | Klook(香港) | KKday(台湾) | GetYourGuide(ドイツ) |
強み | アジア全域、価格(割引) | 台湾・日本、サポートの評価 | ヨーロッパ・北米、品揃え |
価格 | 非常に積極的、クーポン多 | 競争力あり | 競争力あり |
課題 | サポート、品質ばらつき | Klookと同様の課題あり | Klookと同様の課題あり |
私の使い分けとしては、価格重視でアジア圏ならKlook、台湾旅行やサポートの安心感を少しでも求めるならKKday、ヨーロッパやアメリカ旅行ならGetYourGuide、というように目的地や優先順位で選んでいます。
Klookの利用を推奨する人とシチュエーション
Klookの利用を特におすすめするのは、「コストを最優先する人」や「Eチケットの利便性を求める人」です。
商品としては、ディズニーランドや空港特急券など、サービス内容が画一的で品質のばらつきようがない「標準化されたチケット」の購入に最適です。逆に、ガイドの質が重要な「高額なプライベートツアー」や「一生に一度の体験」には、慎重になるべきです。
失敗しないための予約前チェックリスト
Klookで失敗しないために、私が予約前に必ず確認しているリストを紹介します。
- 最新のレビューを(悪い評価も含めて)熟読する
- キャンセルポリシーを必ず確認する(「キャンセル不可」でないか)
- 万が一に備え、決済はクレジットカード(チャージバック用)で行う
- サポートは期待せず、自己責任で利用する「マーケットプレイス思考」を持つ
これらの点を守れば、Klookは旅行のコストを劇的に下げてくれる強力な味方になります。
まとめ
Klookは「怪しい」詐欺サイトではなく、ソフトバンクなども出資する正当なグローバル企業です。ただし、その急成長の裏で、カスタマーサポートや返金対応、品質管理に多くの課題を抱えていることも事実です。
Klookを「手厚い旅行代理店」と期待すると裏切られます。そうではなく、Amazonや楽天市場のように、出店者の質を自分で見極める必要がある「デジタルマーケットプレイス」と理解することが重要です。安さという強力なメリットと、内在するリスクを天秤にかけ、本記事で紹介したチェックリストを活用しながら、賢くお得に旅を楽しんでください。