海外旅行の計画は心躍るものですが、スマートフォンの通信手段を見落とすと現地で大変なことになります。私が使っている格安SIM「IIJmio」は、国内では非常に優れたサービスですが、海外利用には大きな落とし穴があります。結論から言うと、IIJmioの標準プランでは海外でのデータ通信が一切できません。
この記事では、IIJmioユーザーが海外でインターネットに接続できないという衝撃の事実と、その具体的な理由を解説します。さらに、海外で快適にスマートフォンを使うための3つの賢い代替案を、私の経験を交えて徹底的に比較・解説します。出発前にこの記事を読めば、あなたは通信手段に悩むことなく、安心して旅行を楽しめます。
IIJmioの国際ローミング|データ通信が使えない現実
IIJmioユーザーが海外渡航前に必ず知っておくべきは、国際ローミングサービスの実態です。一見すると海外でも使えるように思えますが、その機能は極めて限定的で、使い方を間違えると高額請求のリスクが伴います。
機能は音声通話とSMSのみ
IIJmioの国際ローミングで利用できるのは、音声通話とSMS(ショートメッセージサービス)のみです。つまり、地図アプリで道を確認したり、LINEで連絡を取り合ったり、インターネットで情報を検索したりといった、現代の旅行に不可欠なデータ通信は全く利用できません。
これはIIJmioがMVNO、つまりドコモやauといった大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しているためです。IIJmioユーザーに提供される国際ローミングは、あくまで大手キャリアの機能の一部であり、データ通信は含まれていません。緊急時の連絡手段としては有効ですが、それ以上の役割は期待しないことです。
高額な従量課金制のリスク
音声通話やSMSが使えるからといって安心はできません。IIJmioの国際ローミングは使った分だけ料金が発生する従量課金制であり、その料金は非常に高額です。私が特に注意してほしいのは、海外では電話を受ける側にも料金(着信料)が発生する点です。
渡航先 | 日本向け発信 (円/分) | 滞在国内発信 (円/分) | 着信 (円/分) | SMS送信 (円/通) |
アメリカ (本土) | 140円 | 120円 | 165円 | 100円 |
韓国 | 125円 | 50円 | 70円 | 100円 |
台湾 | 175円 | 70円 | 145円 | 100円 |
イギリス | 180円 | 80円 | 110円 | 100円 |
料金はSIMタイプや渡航先により異なります。
この表を見れば、例えばアメリカ滞在中に日本から10分間の電話を受けるだけで約1,650円もかかることがわかります。さらに、タイプD(ドコモ網)回線には月額50,000円の利用停止目安額が設定されていますが、これはセーフティネットではなく、短期間でそれほどの高額請求が発生しうるという警告と捉えるべきです。
なぜデータ通信が必要?IIJmioユーザーが取るべき対策
IIJmioのローミングがデータ通信に非対応である以上、私たちは代替手段を確保しなければなりません。現代の旅行において、データ通信は単なる便利なツールではなく、安全で快適な旅を実現するための生命線です。
過去のサービスはすでに終了
情報を探す中で、「IIJmio海外トラベルSIM」というサービスを目にするかもしれませんが、注意が必要です。これはかつて提供されていた海外用のプリペイドSIMで、旅行者には便利な選択肢でした。しかし、このサービスは2021年3月31日をもって完全に提供を終了しています。古い情報に惑わされず、現在利用な方法に目を向けましょう。
データ通信を確保する3つの代替案
IIJmioユーザーが海外でインターネットを使うための現実的な選択肢は、主に以下の3つです。
- 海外eSIM|スマートフォンに直接プランをダウンロードする新しい形式
- レンタルポケットWi-Fi|複数人や複数デバイスで使える定番の方法
- 他社プランへの乗り換え|頻繁に海外へ行く人向けの抜本的解決策
これらの選択肢はそれぞれにメリットとデメリットがあり、あなたの旅行スタイルによって最適な答えは異なります。次の章で、それぞれの特徴を詳しく掘り下げていきます。
IIJmioユーザー必見|海外データ通信3つの代替案を徹底比較
ここでは、IIJmioユーザーが選ぶべき3つの代替案を、メリット・デメリットを含めて徹底的に比較します。私がそれぞれの選択肢を実際に検討した際のポイントも交えながら解説します。
【代替案1】eSIM|手軽さとコストで選ぶなら
eSIMは、物理的なSIMカードの代わりに、スマートフォン本体に内蔵されたチップに通信プランをオンラインでダウンロードする技術です。SIMカードの抜き差しが不要で、渡航前に日本で設定を完了できます。
メリット
- 手軽さ|オンラインでいつでも購入でき、QRコードを読み込むだけで設定が完了します。
- コスト効率|必要なデータ量を必要な日数分だけ購入できるため、無駄がありません。
- 紛失リスクなし|物理的なカードがないため、紛失や破損の心配が不要です。
デメリット
- 対応機種|eSIMに対応した比較的新しいスマートフォンが必要です。
- 設定|初めて利用する人には、設定が少し複雑に感じられるかもしれません。
eSIMサービスは数多くありますが、私が特におすすめするのは、日本語サポートが充実しているサービスです。
プロバイダー | 特徴 | 日本語サポート |
Airalo | 世界最大級のeSIMストアで、対応国が多くアプリが使いやすい。 | アプリ/Web (一部) |
Trifa | 日本企業が運営。24時間日本語チャットサポートが心強い。 | あり (24時間チャット) |
Holafly | データ無制限プランが豊富で、ギガ消費を気にせず使いたい人向け。 | あり (24時間チャット) |
【代替案2】レンタルポケットWi-Fi|グループ利用に最適
レンタルポケットWi-Fiは、手のひらサイズのルーターをレンタルし、海外で自分だけのWi-Fi環境を構築する方法です。昔からある定番のサービスで、信頼性が高いのが特徴です。
メリット
- グループ利用に最適|1台で複数人が同時に接続でき、家族や友人との旅行で割り勘すれば非常に経済的です。
- 機種に非依存|Wi-Fiに対応していればどんなデバイスでも接続できます。
- 大容量プラン|データ無制限プランを選べば、通信量を気にせず使えます。
デメリット
- 携帯性|スマホとは別にルーターを持ち運び、充電する必要があります。
- 手続きの手間|事前の予約、空港での受け取り、帰国後の返却が必要です。
- 紛失・破損リスク|レンタル品のため、紛失や破損すると弁償金が発生します。
プロバイダー | 特徴 | 受け取り/返却方法 |
グローバルWiFi | 業界最大手で利用者数No.1。サポート体制が万全。 | 空港カウンター、宅配、コンビニ |
WiFiBOX | 予約から返却まで非接触で完結。モバイルバッテリー機能も搭載。 | 空港設置の専用ボックス |
アクロスWi-Fi | 完全容量無制限プラン専門。データを大量に使う人向け。 | 宅配 (往復送料無料) |
【代替案3】ahamoなど他社プランへの乗り換え|頻繁に渡航する人向け
年に何度も海外へ行くような人にとって、最も合理的でストレスフリーな選択肢が、海外データ通信に強い国内プランへの乗り換えです。私が最も注目しているのは、ドコモのahamoです。
メリット
- 圧倒的な利便性|月額2,970円の基本料金内で、海外91以上の国・地域で追加料金なしに20GBまでデータ通信が使えます。
- 申し込み不要|海外に着いたらスマホのデータローミングをオンにするだけで、すぐにインターネットに接続できます。
- 手間の削減|渡航のたびにeSIMやWi-Fiを手配する手間と時間から解放されます。
デメリット
- 月額料金|IIJmioの格安プランと比較すると、月々の基本料金は高くなります。
- 長期滞在の制限|海外での利用が15日を超えると通信速度が制限されます。
機能/項目 | IIJmio (ギガプラン) | ahamo |
月額基本料金 (例) | 2GB: 850円~ | 20GB: 2,970円 |
海外データ通信 | 利用不可 | 月間20GBまで追加料金なし |
利便性 | 低い (代替策の準備が必須) | 非常に高い (申し込み不要) |
頻繁に海外出張や旅行に行くなら、ahamoへの乗り換えは手間とトータルコストを削減する賢い投資と言えます。
あなたに最適なのはどれ?シナリオ別おすすめプラン
ここまで3つの代替案を解説してきましたが、最終的にどれを選ぶべきか、あなたの旅行スタイルに合わせて私が具体的な指針を示します。
短期の単独旅行なら「eSIM」
3~7日程度の出張や一人旅であれば、eSIMが最もバランスの取れた選択肢です。追加の荷物にならず、必要な分だけ購入できるため、身軽さとコストを両立できます。万が一のトラブルに備え、日本語サポートが手厚い「Trifa」のようなサービスを選ぶとさらに安心です。
家族・グループ旅行なら「レンタルポケットWi-Fi」
家族や友人と複数人で旅行するなら、レンタルポケットWi-Fiが最も経済的です。1台の料金を人数で割れば、一人当たりの負担はかなり軽くなります。全員がデータ残量を気にせず使える無制限プランがおすすめです。
頻繁な海外渡航なら「ahamoへの乗り換え」
年に数回以上、海外へ行くライフスタイルの人には、ahamoへの乗り換えを真剣に検討する価値があります。渡航のたびに通信手段を手配する煩わしさから解放されるメリットは、月額料金の差額を上回る価値があります。急な出張が多いビジネスパーソンにとっては、これ以上ないほど心強い味方になります。
まとめ
IIJmioは国内利用においては非常にコストパフォーマンスの高い優れた格安SIMです。しかし、海外で利用する際には、データ通信が一切できないという重大な制約があります。この事実を知らずに渡航すると、現地で情報を得られず途方に暮れることになりかねません。
しかし、この問題には明確な解決策が存在します。
- 手軽さとコストを重視する単独旅行なら「eSIM」
- 複数人で通信費を抑えたいグループ旅行なら「レンタルポケットWi-Fi」
- 海外渡航が多く、手間をなくしたいなら「ahamoへの乗り換え」
あなたの旅行スタイルや頻度に合わせて最適な選択をすることで、IIJmioユーザーであっても海外で快適なモバイル環境を構築できます。この記事で得た知識を元に、しっかりと準備を整え、ストレスフリーな海外旅行を楽しんでください。