海外旅行中のインターネット接続、どうしていますか?高額なローミング料金や、現地でSIMカードを探す手間は避けたいものです。そんな悩みを解決するのが、次世代のSIM技術「eSIM」です。
なかでもSimify(シミファイ)のeSIMは、多くの旅行者から注目を集めています。
この記事では、Simify eSIMのサービス内容、対応国、料金プラン、使い方、メリット・デメリットまで、旅行前に知っておきたい情報を網羅的に解説します。Simify eSIMがあなたの海外旅行をより快適にするための選択肢となるか、ぜひ最後までご確認ください。
Simify eSIMとは?|海外旅行の新しい通信スタイル
Simify eSIMは、海外旅行時のインターネット接続をスマートにするための選択肢です。物理的なSIMカードを使わずに、データ通信プランを利用できる点が特徴です。
eSIMの基本|物理SIMカードとの違い
eSIMは「Embedded SIM」の略で、スマートフォンなどのデバイス本体に埋め込まれたデジタルSIMのことです。従来の物理的なSIMカードのように、抜き差しする必要がありません。
オンラインでプランを購入し、送られてくるQRコードなどを読み取るだけで、簡単に通信プランをアクティベートできます。これにより、旅行先でSIMカード販売店を探したり、SIMカードを交換したりする手間が省けます。
Simifyの概要|信頼と実績のサービス
Simifyは、オーストラリア発の国際モバイルサービスプロバイダーで、以前は「SimsDirect」という名前で知られていました。多くの旅行者に利用されてきた実績があり、信頼性の高いサービスを提供しています。
特に、海外旅行者向けに特化したプリペイド式のデータeSIMを提供しており、高額なローミング料金を回避し、現地でのSIMカード購入の手間を省くことを目指しています。Simifyは、50万人以上の旅行者から信頼を得ているとアピールしています。
Simify eSIMの魅力|選ばれる理由
Simify eSIMが多くの旅行者に選ばれるのには、いくつかの明確な理由があります。利便性の高さ、広範なカバレッジ、柔軟なプランなどが挙げられます。
到着後すぐ使える利便性|設定も簡単
Simify eSIMの大きな魅力は、その手軽さです。旅行前に準備を済ませておけば、目的地の空港に到着した瞬間からインターネットを利用できます。
事前準備とQRコード設定
Simifyのウェブサイトで希望のプランを購入すると、QRコードが記載されたメールが届きます。このQRコードを、Wi-Fi環境下でスマートフォンの設定画面から読み込むだけで、eSIMのプロファイルをインストールできます。
手動での設定情報(SM-DP+アドレスとアクティベーションコード)も提供される場合があり、QRコードがうまく読み取れない場合でも安心です。
アクティベーションの仕組み
eSIMプロファイルのインストールは旅行前に行えますが、プランの有効期間は、実際に目的地に到着し、現地の提携ネットワークに初めて接続した時点で開始されます。
スマートフォンの設定で、Simify eSIMのデータローミングをオンにすることを忘れないでください。これにより、自動的にプランがアクティベートされ、データ通信が始まります。
幅広い対応国|150以上の国と地域をカバー
Simify eSIMは、世界150以上の国と地域で利用できる広範なカバレッジを誇ります。一度の旅行で複数の国を訪れる周遊旅行にも適しています。
主要な対応国・地域
ヨーロッパ全域(イギリス含む)、アメリカ、カナダ、メキシコ、東南アジア、日本、オーストラリア、ニュージーランド、中東など、人気の旅行先を幅広くカバーしています。
具体的な対応国リストはSimifyのウェブサイトで確認できます。ただし、特定の都市限定のプラン(例|バリ島のみ)は提供されておらず、国単位でのプランとなります。
シングルプランと地域プラン
Simifyでは、特定の1カ国のみで利用できる「シングルプラン」と、複数の国をまとめてカバーする「地域プラン」を提供しています。
例えば、「ヨーロッパ&UK(43カ国)」プランや「東南アジア(10カ国)」プランなどがあり、周遊旅行者にとって非常に便利です。プランを切り替える手間なく、対象地域内であればシームレスにインターネット接続を維持できます。
選べる料金プラン|無制限とGBプラン
Simifyは、利用スタイルに合わせて選べる2種類の料金プランを提供しています。データ量を気にせず使いたい方向けの「無制限プラン」と、必要な分だけ購入する「GBプラン」です。
無制限プラン(FUP付き)の詳細
多くの人気国や地域で提供されている「無制限プラン」は、データ容量の上限を気にせずに使えるのが魅力です。有効期間は最大90日まで設定できます。
ただし、このプランには「公平利用ポリシー(Fair Usage Policy|FUP)」が適用されます。1日のデータ使用量が極端に多い場合、その日の残りの時間の通信速度が低下する制限がかかります。速度制限時の速度は1Mbps以上とされていますが、一部の報告では1日あたり2GB程度で制限がかかる可能性も指摘されています。速度は翌日にはリセットされます。
GBプランの詳細と比較
GBプランは、5GBから100GBまで、決められたデータ容量を購入するプランです。こちらも有効期間は最大90日まであります。
データ使用量が予測できる場合や、FUPによる速度制限を避けたい場合に適しています。一般的に、データ容量が大きいプランほど、1GBあたりの単価は安くなる傾向があります。ただし、GBプランはデータ容量を使い切ったり、有効期間が過ぎたりした場合、追加チャージ(トップアップ)ができません。新しいプランを再度購入・設定する必要があります。
プランタイプ | 特徴 | メリット | デメリット |
無制限プラン | データ容量無制限(FUP適用) | データ残量を気にせず使える安心感 | FUPによる速度制限の可能性、GB単価が割高になる場合がある |
GBプラン | 事前に決められたデータ容量を利用 | 速度制限の心配がない、使い方によっては割安 | データ容量を使い切ると再購入が必要、トップアップ不可 |
自宅のSIMと併用できる|重要な連絡も逃さない
eSIMの大きなメリットの一つは、物理SIMカードスロットを空けたまま利用できることです。これにより、普段使っている国内キャリアのSIMカードを挿したまま、Simify eSIMをデータ通信用に利用できます。
これにより、自宅の電話番号にかかってくる重要な電話や、SMS認証コードなどを受け取ることができ、利便性が向上します。ただし、自宅のSIMで通話やSMS送受信を行う場合は、別途キャリアのローミング料金が発生する点に注意が必要です。Simify eSIMのデータ通信を利用したVoIPアプリ(WhatsApp、LINE、Skypeなど)での通話は、データ通信料のみで利用できます。
Simify eSIMの注意点|知っておくべきこと
Simify eSIMは便利ですが、利用前に知っておくべき注意点もいくつかあります。これらを理解しておくことで、よりスムーズにサービスを利用できます。
専用アプリがない|Webサイトでの管理
Simifyには、競合他社の一部が提供しているような専用のスマートフォンアプリがありません。プランの購入、設定情報の確認、サポートへの問い合わせなどは、すべてSimifyのウェブサイトを通じて行う必要があります。
アプリでのデータ使用量確認や管理に慣れているユーザーにとっては、少し不便に感じるかもしれません。
サポート体制|時間と連絡手段
カスタマーサポートは、主にライブチャットとメール(hello@simify.com)で提供されています。しかし、ライブチャットの対応時間はオーストラリア東部標準時(AEST)の午前9時から午後8時までと限定されています。
日本やヨーロッパ、アメリカなど、オーストラリアと時差が大きい地域へ旅行する場合、リアルタイムでのサポートが必要な際に時間帯が合わない可能性があります。ウェブサイトにはヘルプセンターがあり、基本的な設定方法やFAQは確認できます。
無制限プランのFUP|速度制限の可能性
「無制限プラン」は魅力的ですが、FUP(公平利用ポリシー)による速度制限の存在を理解しておく必要があります。短時間での大容量通信(高画質動画のストリーミングや大容量ファイルのダウンロードなど)を行うと、通信速度が低下することがあります。
どの程度のデータ使用量で制限がかかるかは、プランや利用状況によって変動する可能性があるため、常に高速通信が必要な場合は注意が必要です。
GBプランはトップアップ不可|買い替えが必要
GBプランを選択した場合、購入したデータ容量を使い切ってしまうと、そのプランに追加でデータをチャージ(トップアップ)することはできません。有効期間内であっても、データがなくなれば通信は停止します。
データ通信を継続するには、新しいGBプラン、または無制限プランを再度購入し、設定し直す必要があります。旅行中にデータが足りなくなりそうな場合は、余裕を持った容量のプランを選ぶか、必要になった時点で新しいプランを購入する準備をしておきましょう。
データ通信専用|通話・SMSは不可
Simify eSIMは、基本的にデータ通信専用のサービスです。プランには現地の電話番号が付与されず、通常の電話回線を使った音声通話やSMSの送受信はできません。
通話やメッセージのやり取りは、Simify eSIMのデータ通信を利用して、WhatsApp、LINE、Skype、FaceTimeなどのインターネット通話アプリやメッセージングアプリを使用することになります。
対応デバイスの確認が必要|互換性リスト
eSIMを利用するには、お使いのスマートフォンがeSIMに対応しており、かつSIMロックが解除されている(SIMフリーである)必要があります。
Simifyのウェブサイトには、対応するデバイスのリスト(iPhone、Samsung Galaxy、Google Pixelなどの主要モデル)が掲載されています。特定のモデルや、特定の地域で販売されたモデル(香港や韓国で販売された一部のSamsung端末など)は非対応の場合があるため、購入前に必ずご自身のデバイスが対応しているかを確認してください。
Simify eSIMの料金プラン詳細|具体例で比較
Simify eSIMの料金は、渡航先、プランの種類(無制限 or GB)、データ容量、有効期間によって異なります。ここでは、人気のある日本向けプランと地域プランの料金例を紹介します。料金は購入時期や為替レートにより変動する可能性があるため、最新情報は必ずSimify公式サイトでご確認ください。
日本向けプラン|無制限とGBプランの料金
日本へ旅行する際や、一時帰国時に利用できるプランの料金例です。(料金は参考、USDまたはAUD表記の場合あり)
無制限プラン(日本)の料金例
公平利用ポリシー(FUP)が適用される無制限プランです。
- 7日間|約$27 USD
- 15日間|約$41 USD
- 30日間|約$63 USD
- 90日間|約$144 USD
GBプラン(日本)の料金例
データ容量が決まっているプランです。1GBあたりの単価は容量が大きいほどお得になります。
- 5GB / 7日間|約$18 AUD(約$3.60/GB)
- 10GB / 30日間|約$23 AUD(約$2.30/GB)
- 30GB / 30日間|約$59 AUD(約$1.97/GB)
- 100GB / 90日間|約$144 AUD(約$1.44/GB)
人気地域プラン|ヨーロッパ・北米など
複数国を周遊する際に便利な地域プランの料金例です。
ヨーロッパ&イギリス(無制限)の料金例
ヨーロッパ43カ国とイギリスで利用できる無制限プラン(FUP付き)です。
- 7日間|約$44 AUD
- 30日間|約$99 AUD
アメリカ・カナダ・メキシコ(無制限)の料金例
北米3カ国で利用できる無制限プラン(FUP付き)です。
- 7日間|約$44 AUD
- 30日間|約$109 AUD
割引・プロモーション|お得に利用する方法
Simifyでは、よりお得にeSIMを利用できる割引やプロモーションを提供している場合があります。
- 初回購入割引| Simifyのメールマガジンに登録すると、最初の注文で10%割引が適用されることが多いです。
- 紹介プログラム| 既存ユーザーが友人にSimifyを紹介すると、紹介者と紹介された友人それぞれに特典(例|$10割引やキャッシュバック)が付与されるプログラムがあります。
- アフィリエイトプログラム| 旅行ブロガーやインフルエンサー向けに、紹介による売上に対してコミッションを支払うプログラムも用意されています。
これらの割引を活用することで、旅行の通信費を節約できます。
Simifyと他の選択肢を比較|最適な選び方
Simify eSIMは便利な選択肢ですが、他にも様々な海外でのインターネット接続方法があります。それぞれの特徴を比較し、ご自身の旅行スタイルに合った最適な方法を選びましょう。
主要なeSIM競合サービスとの比較|Airalo・Holafly・Ubigi
eSIM市場にはSimify以外にも有力なプレイヤーが存在します。ここでは代表的なサービスと比較してみましょう。
機能・サポート・価格の比較表
Simify | Airalo | Holafly | Ubigi | |
---|---|---|---|---|
専用アプリ | なし | あり | あり | あり |
サポート時間 | 限定的 (AEST 9時-20時) | 24時間対応 (チャット/メール) | 24時間対応 (多言語チャット/WhatsApp) | メール/Webフォーム (?) |
プランタイプ | 無制限(FUP), GBベース | 主にGBベース, 一部通話/SMS付きあり | 主に無制限(FUPの場合あり) | 無制限(FUP), GBベース |
通話/SMS | データ通信のみ | 一部プランのみ可 | データ通信のみ (一部通話プラン登場) | データ通信のみ |
対応国数 | 150+ | 200+ | 200+ | 200+ |
トップアップ | GBプラン不可 | 対応プランあり | 不要 (無制限) | 対応 |
価格帯(目安) | 中価格帯 | 低~中価格帯 | 中~高価格帯 | 低~中価格帯 |
Trustpilot評価 | N/A (自社サイト評価 約4.8) | 2.3/5 | 4.6/5 | 4.2/5 |
注意|Trustpilotの評価は変動します。
この比較から、Simifyは無制限(FUP)プランの選択肢が多い一方で、アプリや24時間サポートがない点が弱みと言えます。AiraloやUbigiはアプリがありGBプランが中心、Holaflyは無制限プランと24時間サポートに強みがあります。
現地の物理SIMカードとの比較|メリット・デメリット
現地到着後に物理的なSIMカードを購入する方法も依然として一般的です。
- メリット| 長期滞在や大量のデータ通信が必要な場合、GBあたりの単価が最も安くなることが多いです。現地の電話番号が付与されるプランが多く、通話やSMSも利用できます。
- デメリット| 到着後に販売店を探す手間、言語の壁、設定の手間がかかります。SIMロック解除されたデバイスが必要です。購入時にパスポート提示などの登録手続きが必要な国もあります。
ポケットWi-Fiとの比較|メリット・デメリット
持ち運び可能なWi-Fiルーターをレンタルする方法です。
- メリット| 複数のデバイス(スマホ、PC、タブレットなど)を同時に接続できます。グループ旅行で共有するのに便利です。データ容量が大きいプランや無制限プランもあります。
- デメリット| ルーター本体を持ち運び、充電する必要があり荷物が増えます。レンタル・返却の手続き(空港や郵送)が必要です。紛失・破損のリスクと費用がかかります。eSIMや現地SIMより高価になる傾向があります。
自国キャリアのローミングとの比較|メリット・デメリット
普段使っているスマートフォンの契約で、そのまま海外データ通信を利用する方法です。
- メリット| 設定不要で最も手軽です。自分の電話番号をそのまま利用できます。
- デメリット| 料金が非常に高額になることがほとんどです。1日あたりの定額料金制でも、データ容量の上限が低く設定されていることが多く、超過するとさらに高額な請求が発生するリスクがあります。
これらの選択肢と比較して、Simify eSIMは利便性とコストのバランスが良い選択肢と言えますが、他のeSIMサービスや現地SIMの方が適している場合もあります。
まとめ
Simify eSIMは、海外旅行時のインターネット接続を便利で手頃な価格にするための有力な選択肢です。最後に、Simifyの強みと弱みを再確認し、どのような旅行者におすすめできるかをまとめます。
Simifyの最大の魅力は、出発前に準備ができ、150以上の国と地域で利用できる手軽さ、そしてデータ容量の心配が少ない(ただしFUP付きの)無制限プランの存在です。特に複数国を周遊する際の地域プランは便利です。
一方で、専用アプリがない点、サポート時間が限定的な点、GBプランのトップアップができない点は、他のeSIMサービスと比較した場合の弱みと言えます。FUPによる速度制限の可能性や、現地SIMと比較した場合のコスト面も考慮すべき点です。
これらの点を踏まえると、Simify eSIMは以下のような旅行者におすすめできます。
- 利便性重視の旅行者| 空港でのSIM購入の手間を省き、到着後すぐにネットを使いたい方。
- データ利用量が多い(または予測しにくい)旅行者| FUPを理解した上で、無制限プランの安心感を求める方。
- 複数国周遊旅行者| 地域プランでシームレスな接続を求める方。
- オーストラリアからの旅行者| サポート時間が比較的利用しやすい方。
逆に、24時間サポートやアプリでの管理を重視する方、コストを最優先する方、FUPによる速度制限を避けたい方、現地での電話番号が必要な方などは、Airalo、Holafly、Ubigiといった他のeSIMサービスや、現地SIMカードの利用を検討する方が良いかもしれません。
最終的には、ご自身の旅行スタイル、データ使用量の見込み、予算、そして利便性やサポート体制への要求度を総合的に判断して、最適な通信手段を選ぶことが重要です。Simify eSIMがあなたの海外旅行をより快適で充実したものにする一助となれば幸いです。